萩の寺について
境内
金光明最勝王経(こんこうみょうさいしょうおうきょう)の写経塔
道了堂前の写経塔は、嘉永2年(1849)、当山七世真際一丈禅師が完成。
正面には「南無大金光明最勝王経」と彫ってあり、台座の中には、金光明経10巻31章を一石一字ずつ彫った白く丸い碁石ぐらいの小石が納められています。
一丈禅師は、国の乱れと化教の衰微を嘆き、宗旨宗派を超えた金光明経への統一を願って、写経運動を思い立ちました。そして一部の裕福な檀家に限らず、広く農民、町民にも呼びかけ、施主一人ひとりが一字ずつ写経したので、完成まで17、8年を費やしたといいます。
柱の上の蓮華座には梵字で表わされた金光明如来が乗せられています。
如来と台座の中に込められた民衆の仏心が、柱によってひとつに結ばれ一体となる独特のモニュメントは、僧俗を車の両輪に喩える大乗仏教の真髄を表象しています。