平成9年3月 京都近鉄百貨店建之
「九重の 枝垂れの 先のさきの 花 敦子」
季語は“九重の枝垂れの”季節は“春”
幾重にも重なった枝を地面に着かんばかりに枝垂れさせた桜の古木の長い枝先にも小さな花が咲いているという、“力いっぱい今ここに生きる”花の風情に感動した作者の温かな人間性が伝わってきて、まさに春の息吹きを躍動させる元気の句です。
本句碑は、もと京都室町句碑通りにありましたが、京都近鉄百貨店「丸物百貨店」以来85年の歴史を閉じるに伴い、子規・虚子の縁に連なる萩の寺7番目の句碑として、当山に迎え入れられました。