田中右京法橋康寛 作 文化5年(1808)
本像は、西国七福神第一番霊場の御本尊であり、妻である吉祥天と子供である善膩師(ぜんにし)童子を脇侍とする三尊像です。本像は仁孝天皇御勅許の出世開運の守護神として信仰を集めてきました。台座裏銘から、江戸後期の大阪を代表する仏師といわれながら、これまで作例のなかった田中右京法橋(ほうきょう)康寛の作であることが、平成11年に判明しました。銘には、「行年69歳 文化5年(1808)初夏」とあり、不詳であった康寛の生年も確定できました。現存する貴重な作例であるとともに、康寛晩年の円熟した作風が見られる優品です。